協会ニュース 『陶説』平成27年12月号より

▼「第35回伝統文化ポーラ賞」(ポーラ伝統文化振興財団主催)の優秀賞に中田一於氏(石川県小松市)が「釉裏銀彩の制作・伝承」で受賞されました(詳細は本誌751号123頁参照)。本賞は日本の伝統文化に貢献し、今後も活躍が期待できる個人・団体に対し、更なる活躍と業績の向上を奨励することを目的としており、ほか陶芸関係では、地域賞の北海道・東北地区において、大堀相馬焼協同組合が「大堀相馬焼の伝承・振興」で選ばれました。東日本大震災により二本松市に拠点を移動し、放射能汚染12月で採掘できなくなった原料・砥山石の代替材料を開発、青ひび釉を復元することにも成功するなど、継承・復興に努めてきたことが評価され、今後の積極的な活動を期待しての受賞でした。

▼「第32回長三賞常滑陶芸展」の受賞が決まりました。本展は隔年開催の陶芸の全国公募展で、用と美をそなえた焼き物を募集する「伝統部門」と、現代のいぶきを感じる作品を募集する「自由造形部門」で構成。受賞作品は以下のとおりです。

長三大賞=青木宏氏(福井)の「土の種子」(自由造形部門)
長三賞=栗原裕子氏(東京)の石器「Pallas Athena」(伝統部門)、大石早矢香氏(大阪)の「秘めリンゴ」(自由造形部門)
審査員賞=〈金子選〉都丸篤子氏(神奈川)の「非想天」(自由造形部門)、〈深見選〉室伏英治氏(静岡)の「Nerikomi Porcelain「Fusing Sapphire」」、〈石崎選〉加藤和成氏(愛知)の「五層乾器」(伝統部門)

審査員は金子賢治(審査員長)・深見陶冶・石崎泰之の三氏。なお、巡回先は以下のとおりです。ナゴヤドーム(終了)、常滑市民文化会館(12月4日~13日、愛知県陶磁美術館(平成28年1月15日~24日)。

▼「第45回全陶展」の受賞が以下のとおり決まりました。

 文部科学大臣賞:上田文子氏(北海道)の「象嵌釉彩菱紋壺」
 東京都知事賞:川瀬由美子氏(神奈川)の「白のコンチェルト」
 全陶展大賞:田原良蔵氏(東京)の「来青花」
 45周年記念大賞:宇佐美成治氏(栃木)の「岩漿に雪化粧」

このほか谷中田賞は景山宏一氏(埼玉)の「裂線文器」、清水賞は城戸格夫氏(千葉)の「凛」、陶遊賞は峯村昭子氏(千葉)の「緋愁」、CCU青山賞は目黒英子氏(東京)の「多らか」、黒田和哉賞は井上浦氏(群馬)の「凛」、金子賢治賞は金子達雄氏(神奈川)の「大地のめぐみ」、理事優秀賞は豊田章博氏(神奈川)の「刻の彼方」、会員優秀賞は宗形清英氏(東京)の「邪馬台国の幻想」、会友優秀賞は田川郁代氏(大阪)の「空の穴」、新入賞は中野正好氏(神奈川)の「ゴロン」、クラフト賞は佐藤美佳氏(神奈川)の白磁透光練込鉢「Pua mana」が受賞されました。また奨励賞は上江洲茂夫・片山清・清水正勝・中島賢二・福井梓・蛇石純美・椎野かをり、努力賞は小幡篤子・加藤芳久・こめだみゆき・杉山久子・田中伸子・浜田美子・福間基の各氏の作品が選ばれました。

▼「第70回新匠工芸会展」の受賞が決まりました。うち陶芸では、以下の作品が受賞されました。詳細は本誌65~67頁を参照ください。

 富本賞(会員):今田拓志氏の「隔壁の陶」
 会友賞:金子早智子氏の「薫る」
 佳作賞(公募):佐藤正徳氏の「黒彩波文高取壺」
 努力賞(公募):熊澤文太氏の「縄目魚紋大皿」
 伊砂利彦賞(公募40歳未満対象):明石朋実氏の「染付釉はじき陶筥~花立つ~」

▼「改組新第2回日展」の受賞が決まりました。陶芸では特選に南正則氏の「氷袋2015」および森克徳氏の「爽気」が受賞されました。なお本展は以下のとおり巡回します。
国立新美術館(~12月6日)、京都市美術館(12月12日~1月17日)、愛知県美術館ギャラリー2月27日~2月14日)、大阪市立美術館(2月20日~3月21日、福岡市美術館(3月26日~4月17日、石川県立美術館(5月21日~6月12日)、青森県立美術館(6月18日~7月10日)。

▼「秋の叙勲」において、以下のとおり受章されました。
旭日双光章に木村盛伸氏(陶芸家・京都市)、瑞宝単光章に木村宏造氏(備前焼陶芸家・備前市)、黄綬褒章に亀井楽山(亀井弘)氏(高取焼楽山窯主宰・福岡市)および野田浩充氏(陶芸製作技術者・武雄市)。心よりお祝い申し上げます。

▼「平成27年度日本民藝館展─新作工藝公募展」が日本民藝館(電話:03-3467-4527)にて12月12日(土)~24日(木)に開催されます。

▼長谷部満彦氏が9月に逝去されました。長谷部氏は東京国立近代美術館工芸課長、福島県立美術館館長、茨城県陶芸美術館館長などを歴任、当協会では理事および日本陶磁協会賞選考委員に就任いただき、当協会の活動にご尽力いただきました。心より御冥福をお祈り申し上げます。

▼船木研兒氏が10月8日に肺炎により逝去されました。享年88歳。島根県・布志名にて制作し、日本民藝館賞受賞、「茶の湯の造形展」優秀賞、日本陶磁協会賞(昭和33年度)など多数受賞。心より御冥福をお祈り申し上げます。

▼安宅昭彌氏が11月7日に逝去されました。享年81歳。安宅氏は安宅コレクションを築いた安宅英一氏の長男で、アタカコーポレーション最高顧問。心より御冥福をお祈り申し上げます。

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