協会ニュース 『陶説』平成27年10月号より

▼「2014年度日本陶磁協会賞・金賞受賞記念─神農巌・隠崎隆一展─」を10月3日(土)まで日本橋・壺中居にて開催しています。神農氏、隠崎氏それぞれの代表的な作品および新作、約30点が出品されております。是非とも足をお運びください。

▼第28回やきもの文化講座「煎茶陶磁の官窯と民窯─文房の美意識」
 日 時 11月19日(木)午後2時より3時30分まで
 場 所 日本医事新報社3階会議室(千代田区神田駿河台2-9)
 講 師 佃一輝氏(一茶庵宗家)
 定 員 50名(先着順)
 参加費 会員2,000円 一般2,500円

一茶庵宗家・佃一輝氏によるやきもの文化講座を開催いたします。煎茶会で使われる中国陶磁の宮窯と民窯の煎茶道具を、実際に器物を置いてお話しいただきます。中国の士大夫、文人世界は日本の識者の憧れでもありました。文人に愛された貴重な器物を展示たしますので、今回より日本医事新報社の会議室をお借りし、少人数で行いますので、お早めにお申し込下さい。
[お申込み方法」電話にて日本陶磁協会事務局(電話:03-3292-7124)までお知らせ下さい。追って振替用紙をお送りいたします。

▼「第62回日本伝統工芸展」の受賞作品が決定しました。陶芸では高松宮記念賞に井戸川豊氏の「銀泥彩磁鉢」、NHK会長賞に鈴木徹氏の「緑釉花器」、日本工芸会新入賞に多田幸史氏の「幾何紋銀彩組鉢」が受賞されました。なお日本工芸会総裁賞は日本工芸会総裁空席のため授賞は見送られました。『陶説 1月号にて右記受賞作家を交えての座談会記事を掲載予定です(巡回先については、前号98頁を参照)。

▼「第10回パラミタ陶芸大賞展」は、有効投票総敬1,764票のうち667票を獲得した斎藤まゆ氏が大賞に決まりました(前号69~71頁も参照)。

▼「マイヤー×信楽大賞 日本陶芸の今─伝統と革新」の入賞・入選が決まりました。本展は、滋賀県陶芸の森開館以来、初めての公募展で、アメリカ・ミシガン州と滋賀県の姉妹友好交流を契機とした取組みで、フレデリック・マイヤーガーデンズ&スカルプチャーパークとの共催公募展です。31都府県から212人、285点の応募作品より、日米の審査員が技術・完成度や表現力、独自性といった観点から審査し、伝統的技法による器から土の造形まで、日本陶芸の今を紹介するに相応しい作品として次のとおり選考されました。

大賞=「金銀彩八角陶筥“笹音”」織田阿奴氏(滋賀県)
金賞=「擬態化」秋永邦洋氏(兵庫県)
銀賞=「accessories」大石早矢香氏(大阪府)
陶芸の森特別賞=「TWINS‐for Maple in Minneapolis」中田ナオト氏(東京都)

ほか入選者は、細川政己・樽田裕史・小林勇超・石山哲也・久保田厚子・兼行誠吾・小川宣之・武村和紀・長岡千陽・田中陽子:白木千華・廣田忠美・津守愛香・松村淳・山田晶・田中豊・谷野明夫・徳丸鏡子・高橋生華・黒川徹・瀬津純司・津守秀憲、各氏の作品。展覧会はアメリカ・マイヤーガーデンで9月18日~平成28年1月3日に開催後、滋賀県陶芸の森(電話:0748-83-0909)にて3月12日(土)~6月12日(日)に巡回します。

▼第44回長三賞常滑陶業展「くらしのやきもの展」─三部門からなる本公募展において今回、テーブルウェア・キッチンウェア部門の49点、インテリア・エクステリア部門の36点、アクセサリー・ステーショナリー・その他部門の11点より、左記のとおり受賞作品が決まりました。

長三金賞=インテリア・エクステリア部門「しかくいものたち」春田里美氏(岐阜県)
長三賞=テーブルウェア・キッチンウェア部門「KIMON O」藤岡光一氏(兵庫県)と、インテリア・エクステリア部門 「金彩山土壁面板」稲吉オサム氏(愛知県)

また、奨励賞は伊藤成二氏・伊藤雄志氏・小池夏美氏・内村宇博氏・橋本大輔氏の作品が受賞されました。
展覧会はINAXライブミュージアム 土・どろんこ館にて10月2日(金)~12日(祝)に開催後、入賞作品のみ(予定)「ドームやきものワールド」(ナゴヤドーム)にて11月19日(木)~25日(水)に展示されます。

▼静高堂文庫美術館が10月31日にリニューアルオープンします。これを記念しての展示、第一弾「金銀の系譜─宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」展が10月31日(土)~12月23日(祝)に開催されます。国宝・俵屋宗達「源氏物語関屋・澪標図屏風」、重文・尾形光琳「住之江蒔絵硯箱」とともに、宗達・光琳・抱一にまつわる書面工芸を一堂に展示。また国宝「曜変天目」、重文「油滴天目」も出品されます。その後、第二弾「茶の湯の美、煎茶の美」展が平成28年1月23日(土)~3月21日(祝)に、第三弾「よみがえる仏の美~修理完成披露によせて」が4月23日(土)~6月5日(日)に開催されます(問合せ 電話03-3700-0007)。

▼「樂吉左衛門×ORIBE」が佐川美術館・樂吉左衛門館(電話:077-585-7800)にて10月10日(土)~平成28年4月10日(日)に開催されます。本展では、平成21年に国立民族博物館で開催された特別展「千家十職×みんぱく:茶の湯のものづくりと世界のわざ」のために樂氏が「アフリカンドリーム」と題したテーマに沿って制作した盌を中心に、樂家に伝わる織部茶碗2碗と共に展観されます。なお、佐川美術館の特別展示室では「没後400年 古田織部展」を10月10日(土)~11月23日(月)に開催します(105頁参照)。

▼「第23回日本陶芸展」が茨城県陶芸美術館(電話:0296-70-0011)にて10月3日(土)~12月6日(日)に開催されます。会派や団体にとらわれず、「実力日本一の陶芸作家を選ぶ」というコンセプトのもとに選出される本展は、公募部門と招待部門で構成。公募部門は第一部・伝統部門、第二部・自由造形部門、第三部・実用部門に分かれ、今回は571点の応募作品から136点が入選し、大賞は笠間在住の井上英基氏が受賞(詳細は『陶説』745号88頁参照)。展観では招待部門の十四代今泉今右衛門氏の作品など14点ともに計150点の作品が出品されます(100~101頁も参照)。
〔チケットプレゼント〕本展の招待券を20名の方に差上げます。日本陶磁協会事務局(電話:03-3292-7124)までお申込ください(10月7日締切)。

▼「日本工芸会東日本・東海選抜展 伝統工芸の現在性」がMOA美術館(電話:0557-84-2511)にて10月16日(金)~11月17日(火)に開催されます。本年春に開催された日本工芸会東日本支部、東海支部の支部展に出品された作品の中から選りすぐった約100点を展観し、現代の日本工芸を概観します。

▼「KUTANI Nouveau展 新たな九谷色絵の世界」が浅蔵五十吉美術館(電話:0761-58-6789、能美市九谷焼資料館に隣接)にて10月27日(火)~12月20日(日)に開催されます。九谷で陶芸を学び、色絵による個性的な仕事で注目を集めている鈴木秀昭・木元かよこ・田辺京子・戸出雅彦の4氏の作品を紹介します。なお、11月3日(祝)午後1時30分から陶芸家の吉田幸央氏・鈴木秀昭氏・戸出雅彦氏とギャラリストの絹川大氏、キュレーターの山内舞子氏を交えてのトークセッション「表現としての九谷」が開催されます(申込不要)。

▼九谷焼ゆかりの加賀市・小松市・能美市では、各美術館・博物館の合同開催として「加賀九谷焼展」を開催します。詳細は99頁をご覧ください。

▼「工藝の神無月展2015」が丹波古陶館(電話:079-552-2524)にて10月9日(金)~12日(祝)に開催されます。陶芸家の阿部眞士氏、平山元康氏・河井一喜氏ほか、木工家や染織家などの作品が並びます(106頁も参照)。

▼「藤平伸とその背景─京焼登り窯の広がり─」が、10月3日(土)、4日(日)、11日(日)、12日(祝)、17日(土)、18日(日)に開催されます。菊池寛実記念智美術館での「夢つむぐ人 藤平伸の世界」展にあわせて、藤平伸の生家であり制作場でもあった藤平陶芸の、登り窯と工房を特別公開するとともに、藤平伸と藤平陶芸の作品が展示されます。場所:元藤平陶芸登り窯(京都市東山区竹村町151 電話:075-561-3979)。なお、木立雅朗氏(立命館大学教授)の解説が10月12日(祝)午後2時から行われます(申込不要)。

▼「坪井明日香陶芸展─京より発信する女─」展が10月16日(金)~25日(日)に銀座・和光ホールにて開催されます。「発信する女」シリーズや「今昔地図皿」シリーズなど代表的なオブジェ作品のほか、陶筥・茶盌・酒器など70余点が出品されます。詳細は同封のリーフレットをご覧ください。

▼「隠崎隆一─Cocco Pd─」展が中長小西(電話:03-3564-8225)にて10月3日(土)~10日(土)に開催されます。本展では「Cocco Pd」と題した新シリーズを核とする構成で、銀彩を中心に新作約40点が発表されます。日本陶磁協会賞受賞記念展(10月3日まで、裏表紙参照)と合わせてご覧ください。

▼「Flowers 杉田一弥×来田猛展」がギャラリー白(大阪市北区西天満4-3-3 電話:06-6363-0493)にて10月19日(月)~24日(土)に開催されます。『陶説』725号において対談記事を掲載した華道家・杉田一弥氏と、写真家・米田猛氏のコラボレーション展。杉田氏のコレクションより加藤委・兼田昌尚・河本五郎・熊倉順吉・鰹江良ニ・滝口和男・富本憲吉・前田昭博・八木一夫・柳原睦夫他各氏の作品を花器に用いた生け花を、来田氏が撮影した写真15点が展示されます。

▼ 「2015 東美アートフェア(R)」が以下のとおり開催されます。選りすぐりの美術品を集めたこだわりの112店が並ぶ展示・販売会で、一部の展示をご紹介いたします。

場 所 東京美術倶楽部(東京都港区新橋6-19-15、電話:03-3432-0191)
日 時 10月16日(金)10時~18時
    10月17日(土)10時~18時
    10月18日(日)10時~17時
入場料 1,000円 一般・当日)

〔出店展示紹介(一部)〕

井上オリエンタルアート(ブースNo.4-29)
「ギャラリーコレクション特集展2015 秋」を開催。「粉彩鶉文皿」(雍正期)をはじめ、中国・日本・朝鮮の古陶磁を出品。
銀座黒田陶苑(ブースNo.4-4)
「待庵」写しの茶室を設え、近現代陶芸家の逸品約25点を展示。
しぶや黒田陶苑(ブースNo.3-14) 
「壺心」展を開催。古信楽壺や、北大路魯山人・富本憲吉・河井寛次郎・加守田章二・黒田泰三などの壺・扁壺、約10点出品。
谷庄(ブースNo.3-29)
茶道古美術品を中心に20余点出品。
繭山龍泉堂(ブースNo.3-19)
創業百十年を記念して「俑YONG 2015」展を開催。同展は繭山龍泉堂(中央区京橋2-5-9)においても、同時期の10月16日(金)~24日(土)に開催し、「加彩馬」、「加彩女子」など、中国の陶俑を約30点出品。

▼秋の陶器市が各地の窯築地で開催されます。一部ですが、日程をご紹介いたします。

「越前秋季陶芸祭」10月3日・4日開催、電話:0778-32-3200
「秋の民陶むら祭」(小石原焼・高取焼)10月10日~12日開催、電話:0946-74-2121
「みかわち陶器市」(三川内焼)10月8日~12日開催、電話:080-9242-9647
「美濃焼祭」10月10日~12日開催、電話:0572-22-1111
「たじみ茶碗まつり」(美濃焼)10月11日・12日開催、電話:0572-27-7111
「小鹿田焼民陶祭」10月10日・11日開催、電話:0973-22-2036
「丹波焼陶器まつり」10月17日・18日開催、電話:079-597-2034
「備前焼まつり」10月17日・18日開催、電話:0869-64-1001
「鍋島藩窯秋まつり」11月1日~5日開催、電話:0955-23-7293
「陶と暮らし~笠間焼フェア2015~」10月31日~11月3日開催、電話:0296-70-1313
「九谷陶芸村まつり」11月1日~3日開催、電話:0761-58-6102
「益子 秋の陶器市」10月31日~11月4日開催、電話:0285-70-1120
「美山窯元祭り」「薩摩焼の里 美山を遊ぶ」10月31日~11月3日開催、電話:099-274-2112
「信楽陶器まつり」「信楽セラミックアートマーケット in 陶芸の森」10月10日~12日開催、電話:0748-82-0039
「清水焼の郷まつり」10月16日~18日開催、電話:075581-6188
「秋の有田陶磁器まつり」11月15日~23日開催、電話:0955-43-2121
「壺屋陶器まつり」11月20日~23日、電話:098-866-3284

▼木村盛和氏が8月12日に肺炎のため逝去されました。享年94歳。木村氏は1963年度の日本陶磁協会賞を受賞、2005年には福井新聞文化賞など受賞を重ね、また若手陶芸家の育成にも力を注ぎ、2000~2007年度には福井県陶芸館名誉館長も務めておられました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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