やきもの界ニュース 『陶説』2021年2月号より

令和2年秋の叙勲・褒章

ビクトリア&アルバート博物館・東洋部日本美術担当シニアキュレーターのルパート・フォークナー氏(英国)が旭日双光章を受章されました。
心よりお祝い申し上げます。

DOMANI・明日展 2021 文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たち

今回で23回目となる、若手中堅作家を支援する本展では、「蛍手」の技法を用いて現代的なデザインで国内外の注目を集める新里明士氏(陶芸)のほか、大田黒衣美(現代美術)、利部志穂(現代美術・彫刻)、笹川 治子(現代美術)、髙木大地(絵画)、春木麻衣子(現代美術、写真)、山本篤(現代美術、映像)、竹村京(現代美術)、鬼頭健吾(現代美術)、袴田京太朗(彫刻)、各氏の作品が出品されます。

会期: ~3月7日(日)
会場: 国立新美術館 ☎03―5777―8600 ハローダイヤル

特集陳列 人間国宝 前田昭博 白瓷展

重要無形文化財「白磁」の保持者であり当協会金賞受賞作家の前田昭博氏の、多年にわたる制作のなかから精選した作品を展観し、その色と形の魅力に迫ります。

会期: ~3月9日(火)
会場: MOA美術館 ☎0557―84―2511

ZENBI─鍵善良房─KAGIZEN ART MUSEUMオープン

老舗の京菓子店「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」がこれまで若い作家の発表の場として設けていた「スペース空・鍵屋」を改築して、1月8日、美術館をオープンしました。開館記念として「黒田辰秋と鍵善良房─結ばれた美への約束」を開催しています(6月27日まで)。
12代当主・善造は河井寬次郎の作品に触れ、民藝運動に入り、のちに1931年に27歳の黒田に店舗の大飾棚制作を依頼したことから意気投合し、親交が深まりました。
記念展では依頼してつくられた調度品をはじめとする、貴重なコレクションを公開しています。

京都市東山区祇園町南側570―107 ☎075―561―2875
https://zenbi.kagizen.com

益子とセントアイヴスの記念事業でクラウドファンディング─栃木

濱田庄司の渡英をきっかけに、益子町と英国セント・アイヴスの国際交流100年を記念して、両地にモニュメントを設置するプロジェクトが発足しました。
奇しくも100年前は、世界でスペイン風邪が流行。その中で濱田はバーナード・リーチと海を渡り、セント・アイヴスに工房「リーチ・ポタリー」を開窯しました。当時と同じような感染拡大状況下でも、志を抱いた濱田の思いと共に、交流の継続や「世界の益子」を発信しようと、益子エール実行委員会が準備を進めています。
モニュメントは濱田の孫の濱田友緒氏と、人間国宝・島岡達三の孫の島岡桂氏が監修。今夏の完成を目指して2,000,000 円を目標にクラウドファンディング(CF)で支援金を受け付けています。CF支援者への返礼品は、濱田庄司と島岡達三の豆皿や、ましこ悠和館宿泊券など多数。
募集期間は3月22日まで。

問合せ: ☎028―678―9444

仮想空間で大堀相馬焼を再現─福島

大堀相馬焼協同組合はこのほど、インターネット上に「大堀相馬焼バーチャル伝承館」を開館しました。「道の駅なみえ」(双葉郡浪江町)で3月にオープン予定の地場産品販売施設の一部を仮想空間で再現しており、リアル施設のオープンに先駆けて、ネット上で施設内を見て回ることができます。バーチャル伝承館では、展示・学習コーナーをはじめ、販売コーナー、工房内のろくろ場、窯場の4カ所に「入室」することができます。大堀相馬焼の歴史や技法を学んだり、画面上でのろくろ回し体験ほか、オンライン陶芸教室サイトや通販サイトにもつながります。
大堀相馬焼は浪江町大堀地区で江戸時代に始まりますが、2011年の東日本大震災と原発事故で浪江町は全町避難となり、20軒以上の窯元たちは全国へ分散避難を余儀なくされました。約半数の窯元は避難先で工房を再建しましたが、伝統継承が課題となっています。

訃報

秋田後援会会長の石割龍悦氏が1月5日に逝去されました。
当協会の活動に多大なご支援、ご助言をいただきました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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公益社団法人 日本陶磁協会

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