協会ニュース 『陶説』平成20年11月号より

▼平成20年度の会員のための陶磁研究会を次のように開催いたします。

[11月研究会]
「岩崎男爵の古伊万里─華麗なる色絵の世界─」
場所 静嘉堂文庫美術館講堂
   (世田谷区岡本2-23-1 電話03-3700-0007)
日時 11月27日(木)午後1時30分より(入館料のみ参加無料)
講師 同美術館学芸員・長谷川祥子氏

岩崎彌之助、岩崎小彌太父子蒐集のコレクションを所蔵する静嘉堂は、型物・献上手の質の高い作品が幅広く揃うことで知られています。本展(~12月7日開催)では、吉祥慶賀の気分に満ちた金襴手のうつわを中心に、優美で清明な作風の柿右衛門、古九谷や鍋島藩窯の優品も併せ、肥前に開花した華麗なる色絵磁器の世界をご紹介します。11年ぶりの公開となる岩崎家コレクションの古伊万里を、この機会に是非ともご覧ください。
参加ご希望の方は電話もしくはFAXで日本陶磁協会事務局(TEL.03-3292-7124/FAX.03-3292-7125)までお申し込みください。

▼高知支部の大会が11月16日(日)午前9時30分より、龍馬の生まれた町記念館(高知市上町2-6-33 電話088-820-1115)で催される。講師は佐賀県文化課参事・東中川忠美氏。演題は「知られざる江戸時代の唐津焼入門」。江戸時代の唐津焼および陶片、スライドによる解説も行われます。会費は会員1,000円。一般2,000円。詳しくは、事務局(電話0889-22-0267)竹村脩氏までお問い合せ下さい。

▼第4回「耳庵会茶会」が12月7日(日)福岡東洋陶磁美術館にて開催される。この茶会は松永耳庵(12月1日誕生)の誕生を記念して、3年前から始まった茶会。今回も「やきもの文化講座」が午前と午後の2回に渡って催される。演題は「白洲正子の美の世界」、講師は日本陶磁協会主任研究員・森孝一。詳しくは耳庵茶会事務局(092-751-4358 山想園内)までお問い合せ下さい。

▼備前の陶芸家・森陶岳氏がここ数年取り組んできた全長85メートルの巨大な登り窯が完成し、8月19日に初めて空焚きの火が入った。この登り窯は国内最大級のもの。
「毎日新聞」8月20日付によれば、「今回は、実際に作品を焼く前に窯の湿気を除いたり、窯の中の温度の上がり方を調べ、全体が1000度以上になるかなどを約1カ月かけて確認する。作品制作に取りかかった後も、窯詰め完了までには約5年かかるという。森さんは『作品の窯出しまでに、山積する課題を一つ一つ解決していきたい。また、その過程を記録し、今後の備前焼のために活用できるようになれば』と話している。」とある。

▼「人間国宝 三浦小平二展」が12月7日(日)まで、くにたち郷土文化館特別展示室(国立市谷保6231、電話042-576-0211)で開催されている。本展では、平成19年に夫人のご厚意により国立市に寄贈された29点の小平二氏の作品とともに、長年活動の拠点だった国立市内のアトリエでの青磁製作とその格闘の様子が紹介されている。また、11月9日(日)午後2時より3時半まで、夫人の三浦竹子氏による講演「小平二先生との想い出」が同館講堂にて催される。定員60名先着順、聴講料無料。詳しくは、くにたち郷土文化館までお問い合せ下さい。

▼石川県加賀市地域振興部歴史文化課より、次のような内容の文面が送られてきた。「この度、当市の国指定史跡「九谷古窯跡」の整備に伴う遺構確認調査で、九谷一号窯跡で焼成されたと思われる青手古九谷タイプの破片が出土しました。これまでも九谷古窯跡近辺から、色得の破片は出土していましたが、伝世九谷とは異なるタイプが多く、古九谷の産地とするにはあまり積極的な資料ではありませんでした。今回出土した資料は塗埋手で、年代判定に重要な口縁部分が始めて出土しており、素地の特徴や色釉などから、九谷一号窯跡の製品である可能性が高いと判断させていただきました。古九谷の代表的様式である青手塗埋手が伊万里だけでなく九谷の地でも作られていた可能性が出てきた訳です。微細な破片ながら、今回の出土資料は今後の九谷焼研究や、伊万里焼を含めての日本陶磁研究にも貢献する大きな発見であると思います。」地元新聞では、このニュースが再三伝えられたが、さらに今後の発掘、研究を見守りたい。

▼筑豊支部支部長で、上野焼の研究家の毛利茂樹氏が10月1日死去されました。享年66歳。通夜は2日(木)午後7時より、告別式は3日(金)午後1時より、サンレー紫雲閣(行橋市南大橋1-1-12)で行われた。喪主は長男・正樹氏。心よりご冥福をお祈り申し上げます。合掌

▼杉山陶樹堂の杉山定敏氏が9月30日(火)死去されました。享年93歳。10月3日(金)近親者のみで葬儀を済ませ、10月15日(水)午後1時よりパレスホテル(千代田区丸の内1-1-1)地下1階ゴールデンルームにて「お別れ会」が行われた。喪主は妻・喜代子氏。心よりご冥福をお祈り申し上げます。合掌

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