協会ニュース 『陶説』平成19年6月号より

▼平成18年度日本陶磁協会賞受賞記念「三輪和彦(協会賞)、武腰潤(協会賞)、加藤清之(金賞)展」が、7月24日(火)から8月1日(水)まで銀座・和光ホールにて開催されます。今回会場には、陶の可能性に挑戦する三輪氏の萩土に白萩釉をたっぷりと掛けた「花冠」の作品群、また深まる造形美を追求する武腰氏の彩り豊かな花器・絵皿・香炉・陶筥、加藤氏のオブジェから花器、日常の器などあわせて100点が並びます。会員諸氏のご来場をお待ちしております。

▼平成19年度の会員のための陶磁研究会を次のように開催いたします。

[6月研究会]
「青山二郎の眼」
場所 世田谷美術館(世田谷区砧公園1-2)
日時 6月29日(金)午後2時より
講師 同美術館美術課長・清水真砂氏+森孝一(入館料のみ、参加費無料、定員50名)

小林秀雄をして、「僕たちは秀才だが、あいつだけは天才だ」と言わしめた青山二郎。古陶磁の稀代の目利きとして知られ、小林秀雄や白洲正子の骨董の師匠でもありました。本展は青山二郎が選びぬいた中国、朝鮮、日本のやきものの名品から、青山と交流のあった人たちの作品を通して、美の探求者・青山二郎の眼を探ります。

[7月研究会]
「中国・青磁のきらめき」
場所 静嘉堂文庫美術館講堂(世田谷区岡本2-23-1 電話03-3700-0007)
日時 7月26日(木)午後10時30分より
講師 同美術館学芸員・長谷川祥子氏(入館料のみ、参加費無料)

静嘉堂の所蔵品より、華北の耀州窯・釣窯、華南の南宋官窯・龍泉窯・景徳鎮窯といった中国諸窯の青磁が幅広く紹介されます。また、鎌倉時代以降、「唐物」として珍重されてきた龍泉窯の香炉・花入・茶碗をはじめ、江戸時代に日本から注文された香合や茶器、近代に“鑑賞陶器”として蒐集された「宋磁」の世界的名品が含まれ、わが国における美意識の変遷もうかがえる内容の展覧会です。

なお、8月以降は追って掲載いたします。参加ご参望の方は電話もしくはFAXで日本陶磁協会事務局(電話03-3292-7124 FAX03-3292-7125)までお申込みください。

▼筑豊支部の夏期陶磁研修会が6月10日(日)午前10時30分より、福原公民館(行橋市南泉1丁目10-3)にて開催されます。講師は金子賢治常任理事、演題は「近年の西日本陶芸作家の台頭」です。また、午後1時30分から講師による作家個人指導も行われます。持参作品は何点でも可とのこと。なお、「浪漫館収蔵品展」(毛利学校作家作品から)も同時に開催されます。会費は作陶家は一万円(昼食代共)、一般受講生は千円です。詳しくは、支部長毛利茂樹(行橋市泉中央8丁目20-7毛利歯科医院 電話0930-22-0789)までお問い合わせください。

▼八王子市夢美術館にて6月1日(金)より7月8日(日)まで、特別展「魅惑の東洋陶磁 會津八一記念博物館所蔵品展」が開催されます。今回展示されるのは、2004年、早稲田大学會津八一記念博物館に一括寄贈された旧富岡美術館の所蔵品から東洋陶磁80余件。中国・朝鮮半島・日本の陶磁器の魅力を紹介します。6月23日(土)午後3時より、社団法人日本陶磁協会主任研究員・森孝一によるギャラリートーク、また、6月9日、16日、30日、7月7日の土曜日午後3時よりは同館館長・浅井京子氏(元富岡美術館学芸課長)によるギャラリートークも行われる。詳しくは、八工子市夢美術館(東京都八王子市八日町8-1ビュータワー八王子2F 電話042-621-6777)担当・淺沼・道家までお問い合わせください。

▼第23回鈍翁茶会が6月23日(土)、24日(日)の両日山形市内の清風荘・宝紅庵にて開催される。今回の濃茶席の席主は徳禅寺・橘宗義氏。薄茶席の席主は福田行雄氏。立礼席の席主は好日窓。茶券は前売が7,000円、当日が8,000円、お申し込みおよびお問い合せは鈍翁茶会実行委員会事務局(山形市東原町2-16-7清風荘内 電話023-622-3692)まで。

▼高級雑貨を取り扱う「SHINA」が5月24日(木)、京都市中京区室町三条下ル西側にオープンした。そのオープンを記念して、「Mist 近藤高弘」展が6月24日まで開催されている。また、店には国内外のネオアート&クラフトが取り揃えられている。お問い合せは電話075-257-5567。

▼NHK放映の「美の壺 唐津焼」に、唐津焼研究者であり、『陶説』にも執筆いただいている一力安子氏が出演される。放送は6月15日(金)午後10時~10時25分(NHK教育)。再放送は6月21日(木)午後6時25分~6時50分(BS-hi)、6月22日(金)午前7時~7時25分(BS-hi)、同日午前11時5分~11時30分(NHK総合)、6月23日(土)午前5時15分~5時40分(NHK総合)。番組は「絵唐津を中心とした多様な装飾」「土と形を愛でる」「使い育てる喜び」の三つのみどころを中心に唐津焼の魅力、鑑賞のポイントを紹介する。一力氏は、父上の古舘九一氏が継がれた「呼継」の器とあわせてお父様の思い出や、器への想いなどを語られるそうです。

▼第19回日本陶芸展が4月12~24日(大丸ミュージアム・東京)、5月16~21日(大丸ミュージアム・心斎橋)にて開催された。本展は隔年で開催されている全国規模の公募展で、「第1部・伝統部門」「第2部・自由造形部門」「第3部・実用部門」からなる。作品審査は1月末に行われ、応募総数942点の中から、大賞(桂宮賜杯)に志賀暁吉氏(29歳・福島県浪江町)の「青瓷壺」(第1部)が、準大賞(日本陶芸展賞)には山下真人氏(26歳・兵庫県三田市)の「ことのはIII」(第2部)が、優秀作品賞(文部科学大臣賞)には金子信彦氏(54歳・萩市)の「地動」(第2部)が、優秀作品賞(毎日新聞社賞)には田上真也氏(30歳・京都市)の「『殻』’07」(第1部)と、小野隆治氏(53歳・佐賀県嬉野市)の「ホワイトライン組盛皿」(第3部)が選ばれた。

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