やきもの界ニュース 『陶説』2023年3月号より

沖縄に金城次郎館が開館

重要無形文化財「琉球陶器」保持者の金城次郎(1912~2004)の作品を展示する「金城次郎館」(沖縄県南城市に)が、2023年2月5日に開館しました。同館は那覇市で久高民藝店を営む久高美佐子氏のコレクション約300点を収蔵。1970年代以前の「壺屋時代」の作品など、約30点の作品を3カ月ごとに展示替えする予定です。
同館は鉄筋コンクリートの平屋建て。展示室の他、県内の陶芸家の作品を販売する「ミュージアムショップ」が併設されています。
ところ:沖縄県南城市知念山里71―1
電話:098―861―6690(久高民藝店)
開館時間:日曜のみ開館 12時~17時
入館料:1500円

第65回伝統工芸四国展

本展が高松三越にて3月29日(水)~4月3日(月)に開催されます。陶芸関係の受賞については次号以降に掲載いたします。

中居窯(鳥取県)の坂本章氏が県の無形文化財に

陶芸家・坂本章氏(57)が、鳥取県の無形文化財「陶芸」保持者として追加認定される予定です。
坂本氏は鳥取市出身の陶芸作家で、中井窯で「民藝陶器」の表現や技術を追究。日本民藝館展や日本伝統工芸展など、全国規模の公募展で入賞や受賞を重ねてきました。

第10回陶美展

本展の受賞作品が以下のとおり決まりました。
最高賞・日本陶芸美術協会賞
「彩陶條刻文器」淺田浩道
優秀賞・十四代柿右衛門賞
「金魚文鉢」安田直子
優秀賞・髙島屋賞
「藍色志野壺」酒井博司
優秀賞
「赤彩線文花器」國定克彦
「黒釉銀彩陶筥」小林正人
「砂海に吹く」喜多浩介
「twist knitting vase -sensory stream-」金森絵美
奨励賞
「流線遊文盤―希望―」多田昌代、「Cadaeic Shape」重本千尋、「透磁練込鉢 海のささやき」小野千鶴、「蔓草文・花」石坂強、「黒瓷 陰晶」森田高正
オーディエンス賞
1位 「twist knitting vase -sensory stream-」金森絵美
2位 「線彫幾何文鉢」小原健次
3位 「彩陶象嵌鉢 夜の海」保立剛

審査員は伊東豊雄、今泉今右衛門、中野信子、西本直文、橋本麻里の5氏。『陶説』3月(836)号54~58頁もあわせてご覧ください。

アートフェア東京2023

本展は、古美術・工芸から、日本画・近代美術・現代アートまで、幅広い作品のアートが展示される見本市として、2005年から開催している日本最大級の国際的なアートフェアです。今回は、Galleries(国内外で活躍するコマーシャルギャラリー・美術商が出展するセクション)、Crossing(多彩なアートの分野が交差するセクション)、Projects(アートシーンで注目すべき作家を個展形式で発表するセクション)の3つの部門で、144の出展者が参加します。

会期:3月10日(金)~3月12日(日)11時~19時 *最終日は16時まで
会場:東京国際フォーラム ホールE、ロビーギャラリー (東京都千代田区丸の内3―5―1)
料金:前売 4,000円(税込) 当日 5,000円(税込)

※前売、当日券ともに事前オンライン予約制。「アートフェア東京2023」ウェブサイトより申込。ほか、詳細はウェブサイトをご覧ください。

以下、一部の出展内容をご紹介します(店名につづくカッコ内の数字はブース番号、50音順)。
◆浦上蒼穹堂(ブースN70)
「紀元前中国陶瓷」展を開催。新石器時代から前漢時代を中心に約30点展示します。恒例の北斎の版画も出品されます。

◆Gallery Togeisha(ブースN47)
鍋島・柿右衛門・古伊万里・古九谷の優品、珍品を取り揃えて出品します。

◆しぶや黒田陶苑(ブースN20)
「Mask 鯉江良二・内田鋼一展」を開催。2人の「Mask」作品を計10点展示します。ひきつづき、3月17日~28日にしぶや黒田陶苑にて同展を開催します。

◆寺田美術(ブースN34)
「新里明士展」を開催。オブジェ・茶碗など約30点出品。また様々な工芸作家達とのコラボ作品などによる立礼席を設えて、現代アートと茶の湯をテーマに展示します。

◆美術工藝 丹中(ブースN49)
創業100周年を記念して、丹波大壺・瓶子(鎌倉)、珠洲叩き文壺(鎌倉)、備前涙壺一対(土門拳箱書)など中世古窯の優品のほか、能楽美術、近世工芸も出品します。

◆平野古陶軒(ブースN69)
「小盃」展を開催。萬暦や宋磁などの中国陶磁を中心に、李朝・唐津・黄瀬戸・デルフトほか、多彩な酒盃を出品。なお、これに先立ち3月1日~6日に店舗(東京都中央区京橋2―11―10―4階)にて同展を開催します。

◆繭山龍泉堂(ブースN25)
「萬暦」展を開催。五彩、青花の大甕作品3点を中心に明・萬暦の優品を出品します。

◆RYUSENDO GALLERY(S1)
繭山龍泉堂が古美術を通じて育んできた感性で、写真家の六田知弘氏による色彩豊かな世界各地の壁の作品群をプロデュースした「wall」を発表します。

◆水戸忠交易(ブースN22)
服部真紀子・出和絵理・澤谷由子・アイザワリエ、4名の女性陶芸家によるグループ展を開催。新作計10数点を出品します。

◆渡邊三方堂(ブースN68)
中国の漢~唐を中心に動物の俑を20点程展示します。

※敬称略

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