やきもの界ニュース 『陶説』2023年11月号より

小山冨士夫記念賞奨励賞、櫻庭美咲さんに

陶磁器に関する調査研究などでさらなる活動を期待する若手研究者に授与する、2023年度の小山冨士夫記念賞奨励賞に、美術史家の櫻庭美咲氏が選ばれ10月5日に授与式が行われました。近年のアウグスト強王コレクションにおける18世紀前期輸出磁器と「日本宮」の日本表象研究などの調査研究が評価されました。

なお、2021年度の褒賞はリチャード L・ウィルソン氏(国際基督教大学名誉教授)、奨励賞は徳留大輔氏(出光美術館主任学芸員)、2022年度の褒賞は堀内秀樹(東京大学キャンパス計画室准教授)と岡佳子氏(大手前大学総合文化学部元教授)、奨励賞は梶山博史氏(中之島香雪美術館学芸課長)が選出されています。

「第10回菊池ビエンナーレ」の受賞作品決まる

 「菊池ビエンナーレ」は菊池寛実記念 智美術館主催による陶芸の公募展で、2004年度から隔年で開催されています。第10回を迎えた今回、応募総数359点より入選53点(うち受賞5点)が決まりました。受賞作品は以下のとおりです。
なお、受賞・入選作品は12月16日(土)から2024年3月17日(日)まで「第10回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉」展として菊池寛実記念 智美術館にて展示されます。
大賞
 「色絵銀彩陶筥 さやけし」若林和恵
優秀賞
 「土環」宇佐美朱理
奨励賞
 「おもう」腰越祐貴
 「染付深鉢 細魚」小枝真人
 「帰依」波多野亜耶

伝統的工芸品産業功労者等経済産業大臣表彰

伝統的工芸品産業の振興に関し顕著な功労があった個人等を表彰する「伝統的工芸品産業功労者等経済産業大臣表彰」の受賞者が決まりました。今年度は、伝統的工芸品産業の振興に関し顕著な功労があったと認められた51名(団体含む)が受賞。
やきもの関係の伝統工芸士部門、および優良団体賞の受賞者は次のとおりです。
功労者[伝統工芸士]
福永幾夫(石川県)[九谷焼伝統工芸士]
山田登陽志(石川県)[九谷焼伝統工芸士]
大西誠一(兵庫県)[丹波立杭焼伝統工芸士]
十時開次(福岡県)[上野焼伝統工芸士]
優良団体賞
 天草陶磁器の島づくり協議会(熊本県)[天草陶磁器]

京都伝統産業ミュージアム有料化に伴い大幅リニューアル

京都伝統産業ミュージアム(京都市左京区)が9月から有料化したことに伴い、常設展示や実演コーナーを大幅にリニューアルしました。入場料は一般・大学生が500円、小中高生400円となっており、収益は展示品の企画開発や実演する職人への日当に充てられます。

明治大学デジタルアーカイブを公開

10月2日、明治大学図書館が、「明治大学デジタルアーカイブ」を公開したことを発表しました。
教育研究活動を通じて収集・蓄積してきた歴史的・文化的資料を一般に公開するもので、同大学図書館、博物館及び大学史資料センターが所蔵する資料2481件、総画像数約6万8千枚が閲覧可能となります。このアーカイブには、遮光器土偶(亀ヶ岡遺跡)や昭和時代の伝統的工芸品なども収録されています。デジタル化未対応資料についても随時追加公開していくとしています。

訃報 大樋陶冶斎氏

大樋焼の陶芸家、大樋陶冶斎氏が10月17日に亡くなられました。95歳でした。十代大樋長左衛門を襲名し、文化功労者となり、2011年には文化勲章を受章。また1957年度の日本陶磁協会賞を受賞し、長く金沢支部・後援会の代表を務めていただきました。ご冥福をお祈りします。

訃報 西本瑛泉氏

元日展理事の陶芸家、西本瑛泉(えいせん)氏が9月28日に亡くなられました。95歳でした。西本氏は広島県廿日市市出身。1960年に日展で初入選、99年日本芸術院賞・恩賜賞を受賞しました。ご冥福をお祈りします。

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