やきもの界ニュース 『陶説』2021年3月号より

2020年度協会賞・金賞決定

全国の美術ジャーナリスト、ギャラリスト、研究者、陶芸家(金賞受賞者)を中心に構成された推薦委員約70名より候補者を挙げていただきました。
2月17日(水)に開催した7名で構成する選考委員会で、予め上位者のなかで投票した結果をふまえ、以下の方々を選出いたしました。
2020年度 日本陶磁協会賞 新里明士(岐阜県)
2020年度 日本陶磁協会賞金賞 十三代三輪休雪(山口県)
詳細は次号にご報告します。

オンライン開催 大阪市立東洋陶磁美術館 第13回李秉昌博士記念公開講座
「耀州窯青磁と高麗」

在日韓国人、故李秉昌博士による韓国陶磁研究のための寄付によって開催される講座で、今回、耀州窯青磁と高麗青磁に関する最新の研究成果について、韓国・中国・台湾の第一線の研究者が講演されます。
プログラム内容
特別講演1 「北宋『営造法式』と高麗青瓷および耀州窯青瓷」(謝明良氏・国立台湾大学芸術史研究所特聘教授)
特別講演2 「耀州窯天青釉瓷研究の若干の問題」(禚振西氏・陝西省考古研究院研究員)
講演3 「韓国出土の耀州窯系青磁の様相と性格」(韓惠先氏・梨花女子大学校韓国文化研究院研究教授)
講演4 「神仙怪異と世相―宋・金耀州瓷器の刻印花人物文様分析」(杜文氏・陝西省文物保護研究院副研究館員)
日時:3月7日(日)13時30分~17時05分
会場:YouTubeからの限定公開配信
料金:無料(事前申込推奨)申込フォームはこちらから。
問合先:
申込・配信について ☎06―6226-4006(アートエリアB1、12時~19時、月休)
本講座について ☎06-6223-0055(大阪市立東洋陶磁美術館)
※公開講座終了後、YouTubeにて期間限定配信する予定です。詳細は3月10日頃公開する大阪市立東洋陶磁美術館HPの「お知らせ」の情報をご覧ください。

細川家四代展 ―護立・護貞・護熙・護光―

細川家十六代・護立(1883~1970)、十七代・護貞(1912~2005)、当代・護熙(1938~)、護光(1972~)が自ら制作した茶碗・水指・皿・屏風絵などを一堂に展示します。
会期:~4月11日(日)
会場:永青文庫  東京都文京区目白台1-1-1 ☎03-3941-0850

女流陶芸家の草分け 辻輝子展

辻輝子(1920~)の茶碗、香合などの茶道具から陶製アクセサリーまで400点を収蔵するミュージアムコレクションより約120件を出品します。
会期:~3月28日(日)
会場:パラミタミュージアム  三重県三重郡菰野町大羽根園松ヶ枝町21-6 ☎059-391-1088

「天下布武」 信長の朱印状の原本公開(岐阜県)

多治見市文化財保護センターでは市制八十周年記念企画展として「信長朱印状と陶祖の窯」を開催、織田信長が陶器作りのお墨付きを陶工に与えた「信長朱印状」の原本を期間限定で特別公開します。
「天下布武」の印が押された「信長朱印状」の原本は、瀬戸の陶工、加藤市左衛門が天正二年(1574)に信長から与えられたもので、その後、弟の子孫で多治見の陶祖となる半右衛門景増とともに美濃に移りました。「瀬戸焼物の窯は前々の通りその場所で焼くこと、他の場所に窯をつくってはいけない」と移動禁止を命じる内容で、当時は自由に新しい窯をつくることは許されていなかったことがわかります。
企画展は6月18日まで(土、日、祝日は休館)。入場無料。原本の地区別公開期間は4月12〜23日、6月7~18日。そのほかの期間の展示は複製となります。

各地のやきもの産地で充実したWebサイトが続々と誕生、リニューアル

○KUTANism[クタニズム](石川県) https://kutanism.com
九谷焼の代表的な産地である能美市と小松市では、2019年に始まった九谷焼の総合芸術祭「KUTANism[クタニズム]」の第2回を、昨年10月から12月にかけてオンライン開催しました。若手作家43人によるエキシビションや、秋元雄史さんが九谷焼の物語を紹介するライブラリー、九谷焼の作家などを取材した短編映画「九谷棲む人々」の上映など、6つのコンテンツ。
イベントは好評を博しましたが、作品の販売については今後の課題とのこと。

立杭陶の郷(兵庫県) https://tanbayaki.com
古丹波の鑑賞や丹波焼の購入、陶芸体験などができる施設「立杭陶の郷」(兵庫県丹波篠山市今田町上立杭)のウェブサイトがこのほど、リニューアルされました。巡り方や、丹波焼の歴史や製法、オンラインショップ。さらに、50の窯元の顔写真が並び、それぞれの特徴や作品を紹介。
3月14日まで、オンラインイベント「丹波焼オンライン器めぐり~おうちでポチッと~」も開催中。

寒風陶芸会館 https://www.sabukaze.com/heritage.html
今号でも取り上げた、寒風須恵器の窯跡の敷地に立つ寒風陶芸会館のサイト。寒風古窯群については「焼かれていたもの」「窯の詳細」「変遷」「出土品」などあらましがわかるように構成され、さらには、これまでに発行した冊子やパンフレットをpdfで公開しています。

みかわち焼(長崎県) https://www.mikawachi-ware.or.jp
歴史、窯場めぐりのガイド、窯元紹介・インタビュー、「豆皿手帖」、オンラインショップのほかに、置き上げや透かし彫り、菊花飾細工など特徴的な技法の紹介は動画で解説しています。また期間限定で、佐世保市蔵と個人蔵の江戸時代から昭和初期の代表作を並べた展覧会「名品ビューイング」を開催。さまざまなアングルの写真によって、肉眼ではわかりにくい部分も楽しめる内容となっています。

アートフェア東京2021

本展は、古美術・工芸から、日本画・近代美術・現代アートまで、幅広い作品のアートが展示されるフェアとして、2005年から開催している日本最大級の国際的なアートフェアです。今回は「by Art」をテーマに141のギャラリー・美術商が参加します。
会期:3月19日(金)12時~19時 / 3月20日(土)12時~19時 / 3月21日(日)12時~16時
会場:東京国際フォーラム・ホールE、ロビーギャラリー (東京都千代田区丸の内3-5-1)
料金:4,000円 ※事前オンライン予約制

※詳細はホームページ(http://artfairtokyo.com)を参照、または電話(☎03-5797-7912)にてお問合わせください。

一部の出展内容をご紹介します(店名につづくカッコ内の数字はブース番号、五十音順)。
井上オリエンタルアート・銀座(G107)
「中世への系譜Ⅱ ~東洋と西洋 灼かれたものと印されたものの間~」展を開催。「中世」をキーワードに、日本を中心とした先史土器から須恵器瓶、信楽などの中世までの焼締壺他の陶磁器、デューラーに代表される北方フランドル版画を展示。併催として、稀少な日本シュールレアリズム絵画の雄・北脇昇の自画像作品など3件も展示します。
浦上蒼穹堂(G116)
「中国の漢~唐・陶磁器の優品」展を開催。
ギャラリーこちゅうきょ(G62)
日本橋・ギャラリーこちゅうきょにて3月23日(火)~27日(土)に開催する「松島巌コアガラス展」の先行展示で、本展で出品する新作の蓋物・碗など約40点より、一部を展示します。
銀座 黒田陶苑(G48)
「吉祥囃子―小林佐和子展」を開催。
しぶや黒田陶苑(G68)
「異形 加藤唐九郎・高宏展」を開催。1965~68年頃に制作された加藤唐九郎の「異形皿」や陶皿、そして加藤高宏の花生等、十余点を出品。その後、しぶや黒田陶苑において3月26日(金)~30日(火)に同展を、また3月19日(金)~23日(火)には「加藤高宏展」を開催します。
繭山龍泉堂(G73)
昨年よりスタートした「MAYUYAMA ONLINE GALLERY」で扱っている作品を出品します。中国・清朝官窯の文房具などを中心に「桃花紅筆洗」(『陶説』814」号背表紙写真)、「白磁觚形瓶」、「茄皮紫釉暗花龍文盤」ほか展示。
水戸忠交易(G70)
「BOWLS—Lucie Rie—」展を開催。茶碗に見立てられる作品、約十余点を出品。
渡邊三方堂(G114)
先代より受け継がれた朝鮮時代の陶磁器を中心とした逸品のコレクションを展示します。

銀座 黒田陶苑アネックス

銀座黒田陶苑が本社店舗ビルの建て替えに伴い、しばらくの間、「銀座 黒田陶苑アネックス」として左記の仮店舗にて営業します。
住所:東京都中央区銀座6-12-14 銀緑館2階
営業時間:11時~19時 *月曜定休

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