やきもの界ニュース 『陶説』2021年12月-2022年1月合併号より

リーチの作品集を出版

鳥取県岩美郡岩美町に工房を構える岩井窯・山本教行さんが、自身の所蔵するバーナード・リーチの作品をまとめた『リーチ好き』(今井出版)を刊行しました。
民藝の思想に感銘を受けた山本さんは、18歳の時に来日していたリーチと面談。それを機に、陶芸家として55年にわたり作陶を続けてきました。これまで集めてきたリーチ作品を、写真と言葉で綴った作品集となっています。

「八代清水六兵衞展―陶を構築する」

本展は2006年から実施している「著名作家招聘事業」の第16回展。今回は八代清水六兵衞氏を取り上げ、ブロックのようなパーツを組み合わせた1990年代以降の大型作品から、近年取り組む器物の面を大きく切り取った作品まで一堂に展観します。
会場:兵庫陶芸美術館 ☎079-597-3961
会期:2月27日(日)まで
同時開催:「やきものの模様―動植物を中心に―」「丹波焼の世界 season5」

三田青磁の歴史や作品の資料集発刊

江戸後期から昭和初期にわたって兵庫県三田市で焼かれた三田青磁などの愛好家でつくる「古三田青磁・三田焼研究保存会」が、全国に広まった三田青磁の歴史などを写真とともにまとめ、資料集を発行しました。同保存会はこれまでにも1983年に『古三田青磁 ふる里のやきもの』第1集を、86年に第2集を出してきました。その後、新たな発見が増えたため、35年ぶりにまとめた3集目となります。

第五十五回女流陶芸公募展

先月号でお伝えしていた本展の受賞作品が決まりました。
文部科学大臣賞 「萌芽」松澤恵美子(神奈川)
女流陶芸大賞 「黒線紋壺」蒲田久代(兵庫)
なにわ国内留学賞 「結晶釉幾何文鉢」浮橋美保子(福岡)
現代美術文化振興財団賞 「瓢箪からコマ」井尻杏那(京都)
女流陶芸新人賞 「荒廃」前澤朋佳(愛知)
京都府知事賞 「Like Klee クレーの様に」佐藤千恵(愛知)
京都市長賞 「太古への祈り」谷口文子(京都)
朝日新聞社賞 「SUN」封霽芸(京都)
NHK京都放送局賞 「催眠后」梶木奈穂(兵庫)
(敬称略)

なお、審査員は大長智広(京都国立近代美術館研究員)、外舘和子(多摩美術大学教授)、中ノ堂一信(京都芸術大学名誉教授)、坪井明日香(女流陶芸代表)の4氏。本誌290頁を参照ください。

令和3年秋の叙勲・褒章

11月3日付けで令和3年秋の叙勲、褒章が発令されました。
陶芸関係では瑞宝単光章に朝長仁氏(波佐見焼、長崎県川棚町)が受章されました。心よりお祝い申し上げます。

令和3年度 地域文化功労者表彰

文化庁が、今年度の地域文化功労者の表彰式を、11月1日に京都府民ホールで行いました。
芸術文化の振興、文化財の保護等、地域文化の振興に功績のあった個人および団体に対して、文部科学大臣が表彰するものです。陶芸関係からは芸術文化分野で3名、文化財分野で1名が表彰されました。表彰者は以下のとおりです。 (敬称略)
[芸術文化部門]
林克次(陶芸家・三重県四日市市)
川崎千足(陶芸家・滋賀県甲賀市)
中尾恭純(陶芸家・佐賀県有田市)
[文化財保護]
東陽一(古高取を伝える会監事・福岡県直方市)

令和3年度「現代の名工」表彰式

厚生労働省では、各産業分野において、卓越した技能を持ち、その道の第一人者といわれる技能者を「現代の名工」と称えて表彰を行っています。今年度の表彰式が11月8日に東京リーガロイヤルホテルにて行われました。対象者のうち陶芸関係は以下のとおりです。 (敬称略)
[卓越した技能者 第十二部門(窯業製品製造の職業等)]
太田哲三(陶磁器焼成工・福岡県・小石原焼)
前田清次(陶磁器画工・佐賀県・鍋島焼)

第9回陶美展

本展の受賞作品が以下のとおり決まりました。
大賞・日本陶芸美術協会賞 「白妙彩磁壺」庄村久喜
茨城交通賞 「風のダイナミズム」鍛治ゆう子
札幌インテリアアクア賞 「花文壺 椿」望月集
十四代柿右衛門記念賞 「幾何紋銀彩花器」多田幸史
髙島屋賞 「自然練込花器」豊福博
シンリュウ賞 「白磁鉢 光芒」大野佳典
共栄電気炉製作所賞 「無題」小峰尚
奨励賞 「青黒彩鎬紋の器」宮島正志、「彩泥彫文鉢」黌農美重子、「銹釉鉢」奥川真以子、「割り入れ大壺 赤い大理石」森寿光
(敬称略)

審査員は、伊藤嘉章(愛知陶磁美術館総長)、徳留大輔(出光美術館主任学芸員)、板橋廣美(陶芸作家)、中田一於(陶芸作家)、寺本守(陶芸作家)、伊勢﨑創(陶芸作家)、酒井田柿右衛門(陶芸作家)の7氏。
展観は、日本橋高島屋・美術画廊にて1月26日(水)~2月1日(火)に開催されます。

東京・松岡美術館再開

所蔵作品の修復調査・設備点検のため、2019年6月から長期休館していた東京・白金台の松岡美術館が、このほど約2年8か月ぶりの再開を記念して「再開記念展 松岡コレクションの真髄」を開催します。
本展では、東洋陶磁・日本画・西洋彫刻の3つの企画を通して、松岡コレクションを紹介。
企画展1「館蔵 東洋陶磁名品選 松岡清次郎の志をたどる」では、コレクションの3割を占める陶磁器作品のなかから厳選した東洋陶磁を公開。古九谷などの日本陶磁や、珍しい作例である首を下げた三彩馬といった唐時代から清時代の中国陶磁を中心に、40件あまりを紹介します。
とりわけ、景徳鎮窯《青花龍唐草文天球瓶》と《青花双鳳草虫図八角瓶》の2点は、約7年ぶりの同時出品となります。
会期は1月26日(水)から4月17日(日)まで。

東京美術商協同組合が合同オンラインショップを公開

美術商の協同組合「東京美術商協同組合」が12月1日、初となる公式ECモール「TSUNAGU 東京美術商協同組合」を一般公開しました。ECモールは複数の店舗が一つの大きなサイトの中に出店する、オンライン上のショッピングモールです。
約500の組合員で構成される同組合はこれまで、一般消費者向けの展示販売会として「東美正札会」や「東美アートフェア」などの催事を企画・運営し、古美術や日本美術を中心に作品を扱ってきています。
「TSUNAGU」は、東美に所属している美術商だけが出店できる美術品販売専門のECモールとして、販路を増やしたい美術商と、より多くの作品に出会いたい買い手とを結びつける役割を目指しています。
現在は繭山龍泉堂、古美術 木瓜、靖雅堂夏目美術店、小西大閑堂、しぶや黒田陶苑、ギャラリーぐんじ、西邑画廊などが参加。取り扱いジャンルは茶道具、日本画、洋画、版画、浮世絵、武具・刀剣、金工、仏教美術、鑑賞陶磁器、西洋骨董、近代工芸、漆芸品、現代アート、古書画と幅広く網羅しています。
今後は美術商へのインタビューや、美術品の解説も定期的に発信していく予定とのことです。
「TSUNAGU」サイトはこちらから

テーブルウェア・フェスティバル2022~暮らしを彩る器展~

29回目を迎える本展は、「お酒を愉しむ器と食卓コンテスト大賞(うつわ部門・コーディネート部門)」のほか、海外特集「Quality of Life~華ある洋食器~」、国内特集「華やぎの白・深みの黒~薩摩焼~」など多数の企画が催されます。詳細はウェブサイトをご覧ください。
会場: 東京ドームシティ内のプリズムホール、Gallery AaMo、東京ドームホテル〈B1F宴会場〉
日時: 1月29日(土)~2月6日(日)(東京ドームホテル会場は2月3日まで) 9時~19時(最終日は18時まで)

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