やきもの界ニュース 『陶説』2020年9月号より

第67回日本伝統工芸展

本展は歴史上・芸術上価値の高い工芸技術を保護育成するため開催される公募展で、陶芸・染織・漆芸・金工・木竹工・人形・諸工芸の7部門より約600点の入選作と重要無形文化財保持者(人間国宝)の最新作が一堂に並びます。本年度は以下のとおり巡回します。なお、「特別展示―わざを伝える―文化財保存事業報告」では「無名異焼 伊藤赤水氏」が展示されます。受賞作品については次号以降にて記事を掲載いたします。

巡回先
東京・日本橋三越本店(9月16日〜28日)
名古屋・名古屋栄三越(9月30日〜10月5日)
京都・検討中(10月14日〜19日)
金沢・石川県立美術館(10月23日〜11月3日)
大阪・検討中(11月5日〜10日)
岡山・岡山県立美術館(11月13日〜29日)
松江・島根県立美術館(12月2日〜25日)
高松・香川県立ミュージアム(2021年1月2日〜17日)
仙台・仙台三越(1月21日〜26日)
福岡・福岡三越(2月3日〜8日)
広島・広島県立美術館(2月17日〜3月7日)

「三輪龍氣生展―行け、熱き陶の想いよ。」

本展では、ハイヒールをかたどった白萩のシリーズ〈花子の優雅な生活〉と名付けて発表を始めた昭和42年(1967)から、平成22年(2010)の黒陶彩〈龍人伝説〉や最新作の〈鳥人〉シリーズまで、半世紀以上にわたり、エロス(愛)とタナトス(死)に関わって人間存在の意味を陶による造形で問い掛け続けてきた三輪龍氣生の表現性と魅力を、代表作約110点により紹介します。

ところ: 山口県立萩美術館・浦上記念館  山口県萩市平安古町586-1  ☎0838-24-2400
会期: 9月12日(土)〜12月20日(日)
アーティストトーク(三輪龍氣生氏): 9月19日(土)、10月17日(土)、11月21日(土)、12月19日(土)の午後2時から、定員20名、要申込。
ギャラリーツアー: 第2、4日曜日の午前11時から、定員20名、要申込。

「京都の陶芸展―5家17人の挑戦」

本展では、京都を代表する特色ある陶家5家(樂家・永樂家・清水家・宮永家・森野家)に焦点をあて、近現代17人の作品を通して、各家の伝統の技と革新の軌跡を展観します。

ところ: しもだて美術館  茨城県筑西市丙372  ☎0296-23-1601
会期: 9月19日(土)〜11月23日(月・祝)
ギャラリートーク: 10月3日(土)、10月18日(日)、11月14日(土)の午後1時30分から。

「吉左衞門X 齋藤隆×十五代吉左衞門・樂直入」

東北の山村に暮らしながら、黒一色で奇怪な人物の像や、朽ちゆくモノを描いてきた画家・齋藤隆と樂直入とのコラボレーション展。

ところ: 佐川美術館・樂吉左衞門館  滋賀県守山市水保町北川2891  ☎077-585-7800
会期: 9月5日(土)〜2021年3月21日(日)

「若尾利貞・若尾経・加藤仁香三人展」

多治見市小名田町に工房を構える岐阜県無形文化財の若尾利貞、多治見市陶磁器意匠研究所卒業で青瓷を中心とした作品の若尾経、白磁・色絵を展開する加藤仁香の三人展。

ところ: とうしん美濃陶芸美術館  岐阜県多治見市虎渓山町4-13-1  ☎0572-22-1155
会期: 9月2日(水)〜12月27日(日)

「TOKYO ANTIQUE FAIR 2020」

前坂晴天堂(B-2)、利菴アーツコレクション(B-8)、古美術あさひ(A-16)など38の美術店が出店されます(カッコ内はブース番号)。情報はフェイスブックおよびインスタグラムでも発信しています。

会場: 東京美術倶楽部・3階
日時: 10月2日(金)10時〜17時 / 10月3日(土)10時〜17時 / 10月4日(日)10時〜16時
入場料: 無料
問合先: 実行委員会(古美術あさひ ☎03-3272-3970)

〜受け継がれし美〜華麗なる古美術展

9月3日(木)から16日(水)まで渋谷東急本店8階・美術ギャラリー(☎03-3477-3857〈直通、担当:前坂・浅野〉)にて開催されます。長きにわたり、人から人へ大切に受け継がれてきた美しき宝物。日本・中国・朝鮮古陶磁、古伊万里、薩摩焼、蒔絵等の華麗なる古美術の逸品を多数取り揃え展示販売されます。

内田鋼一氏が温泉ヴィラをプロデュース―湯の山温泉

三重県菰野町湯の山温泉に、美術館のような湯宿「湯の山素粋居」が誕生しました。建築・デザイン監修とアートキュレーションを担当したのは、2018年度日本陶磁協会賞受賞者で、菰野町の隣り、四日市市に工房を構える陶芸家の内田鋼一氏。
12棟の独立したヴィラからなり、各棟が土、石、漆喰、木、漆、和紙、ガラス、鉄という8つの素材で構成。「素粋居」の〝素〟は、〝素材〟に由来するとのことで、素材に特化し、素材自体をテーマとした試みになっています。
菰野石の巨石をアプローチとリビングに配したヴィラ「石砬」、茶人千宗屋氏がプロデュースする茶座敷「抱土」が設けられたヴィラ「土逢」、漆芸家・赤木明登氏による黒漆の浴槽が設置されたヴィラ「玄漆」など、それぞれに趣向が凝らされています。
なお、内田鋼一作の器、陶板などのインテリアのほかに、李朝などの古陶磁が部屋にしつらえられているのも見ものです。
(問合せ☎059-390-0068/https://sosuikyo.com)

約100万件の日本文化関連資料がオンラインで公開

日本の陶磁器や浮世絵といった美術品や書籍、写真など約100万件を無料で楽しめる電子博物館「Cultural Japan」 (https://cultural.jp)が公開されました。
このサイトは、世界中の美術館、博物館、図書館などで公開されている日本文化に関連する情報を集約して提供するもの。電子博物館の取り組みは世界で進んでいますが、日本発で国や地域を超えて検索できるものは珍しく、約40の主要な国内施設のほか、大英博物館、メトロポリタン美術館、アムステルダム国立美術館など37ヵ国約550機関に所蔵されているデジタル資料を閲覧することができます。
また、同サイトの「セルフミュージアム」という機能を使って、世界各国に点在する作品群からお気に入りを集めて、ネット上で自分だけの3D美術館をつくって楽しめます。

スミソニアン博物館のデジタルデータが自由利用可へ

アメリカ有数の科学、芸術、自然史の博物館群・教育研究機関複合体である「スミソニアン博物館」 (https://www.si.edu)の約280万点のデジタルコレクション画像や約2世紀分のデータが、自由にダウンロード、変換、共有できるようになりました。オープン・アクセスのコンテンツには、アメリカの歴史的人物の肖像画から恐竜の骨格の3Dスキャンまで、芸術、科学、歴史、文化、技術、デザインなど多岐にわたるコンテンツが含まれており、芸術、科学、歴史などの高解像度画像や研究データを一括してダウンロードできます。
今後、継続的にアイテムを追加し、今年末までに300万以上の画像へのフリーアクセスを目指しています。

訃報

日本陶磁協会賞、同金賞を受賞された鯉江良二氏が8月6日に逝去されました。享年82歳。愛知県常滑市出身で、バロリス国際陶芸ビエンナーレ展・国際名誉大賞など国際的にも高い評価を得て活躍されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

山口県立萩美術館・浦上記念館名誉館長の浦上敏朗氏が、8月15日に心不全のため逝去されました。享年94歳。萩市出身の実業家で、その傍ら浮世絵、東洋陶磁を収集し、コレクション約2500点を山口県に寄贈、県立萩美術館・浦上記念館の設立や運営に尽力されました。萩市名誉市民、山口県文化特別功労賞ほか。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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公益社団法人 日本陶磁協会

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