やきもの界ニュース 『陶説』2020年11-12月号より

第54回女流陶芸公募展

今年で54回目をむかえる本展は、昭和32年に発足したわが国初の女性陶芸家集団、女流陶芸の公募展で、入賞、入選の作品が展示されます。審査結果は次号以降に掲載いたします。
会期: 12月2日(水)~6日(日) 10時~18時
*最終日は17時30分まで
会場: 京都市京セラ美術館
問合せ先: ☎090―2357―0597(女流陶芸事務局)

「人間国宝 松井康成と原清展」

重要無形文化財「練上手」保持者の故松井康成氏と「鉄釉陶器」保持者の原清氏の館蔵品、各約55点により、2人の作家の表現の深まりやひろがりにふれながら、それぞれが到達した美の形について掘り下げます。
会期: ~2021年3月21日(日)
会場: 茨城県陶芸美術館 ☎0296―70―11
併設: 「笠間と益子の急須展」
(~2021年1月17日、出品=黒田隆・上林秀明・戸田浩2・山崎さおり・鯨井円美・小林真梨加・若杉集・えきのり子・笠原良子・おおむら美土里・田尾明子)

「鈴木藏の志野 造化にしたがひて、4時を友とす」

長年にわたり志野焼に取り組み、優れた作品を生み出してきた陶芸家・鈴木藏氏(重要無形文化財「志野」保持者)の仕事を、未発表の新作志野茶碗を中心に紹介する。
会期: 12月12日(土)~2021年3月21日(日)
会場: 菊池寛実記念 智美術館 ☎03―5733―5131

特別展「黒田泰蔵」

イセ文化基金所蔵品と館所蔵品を中心に、黒田泰蔵氏の白磁作品約60点が展示されます。
会期: 11月21日(土)~2021年7月25日(日)
会場: 大阪市立東洋陶磁美術館 ☎06―6223―0055
同時開催 「柿右衛門―Yumeuzurasセレクション」

「―美と用―のウツワ」

近藤悠3・岩淵重哉・近藤 豊・加守田章2・加藤賢司・近藤濶の各氏の作品が紹介されます。
会期: ~12月末
会場: 近藤悠三記念館 ☎075―561―2917

「豊福誠 退任記念展 色絵磁器」

藤本能道に直接指導を受けて伝統を受け継ぎながら、現代にふさわしい色絵磁器の新たな地平を拓いた豊福氏の色絵磁器が出品されます。
日時: 11月23日(祝)~12月6日(日)
会場: 東京藝術大学大学美術館 ☎03―5777―8600 ハローダイヤル

「第10回I氏賞受賞作家展」

岡山県新進美術家育成のために設けられたI氏賞の第9回(2015年度)・第10回(2016年度)の奨励賞受賞者4名の作品が紹介されます。陶芸では陶土の特性を見究め多彩な技法と造形表現に取り組む中原幸治氏の作品。他、小林正秀氏(写真)、金孝妍氏(絵画)、吉行鮎子氏(絵画)。
会期: ~12月20日(日)
会場: 岡山県立美術館 ☎086―225―4800

「日本遺産認定記念 益子を彩る陶芸家たち
~コレクションにみる個人作家の系譜~」

館蔵コレクションを通じて、20世紀後半以降に益子を拠点とした個人作家の系譜を辿ります。
会期: ~2021年2月28日(日)
会場: 益子陶芸美術館 ☎0285―72―7555

「増原嘉央理 高橋奈己展―表現の形―」

独自の表現を追求し、国内外で発表・活動をする増原嘉央理氏・高橋奈己氏の作品を紹介します。
会期: ~2021年1月24日(日)
会場: 瀬戸市新世紀工芸館 ☎0561―97―1001

「1990 Clay Rush」

1990年代前後、日本の陶芸界では、乾由明氏を中心として「クレイワーク」を冠する展覧会が数多く企画される1方で、林屋晴三氏は茶陶の展覧会を主導して新たな展開を見せます。海外でも「ユーロパリアジャパン’89」などにより日本陶芸の知名度が高まり、国内では雑誌・豪華本も次々と出版され、陶芸界全体が熱気を帯びていました。
本展では、この時代を象徴する重要な存在である故鯉江良二氏と、当時の若手のなかでも精力的に制作に取り組みながら独自の陶表現を獲得し、その後も時代に流されることなく確固たる姿勢を貫いてきた小川待子・深見陶治・15代樂吉左衞門(直入)・隠﨑隆一・秋山陽・井上雅之、各氏の作品を紹介します。
なお本展図録では島崎慶子氏の論文等収録するほか、7名の活動を中心に1990年代から今日までの陶芸界の重要な出来事(展覧会・個展・書籍など)を文章や写真を交えて時系列にまとめています。定価2000円(税込)。
日時: 11月27日(金)~12月26日(土) 11時~19時 *日曜休廊
会場: 中長小西(東京都中央区銀座1―15―14 水野ビル4階)☎03―3564―8226

2020年度の「現代の名工」(厚生労働省)に、3名の方が選ばれました。

成形工の荒木秀樹氏(薩摩焼/鹿児島県)、陶磁器焼成工の島袋常榮氏(壺屋焼/沖縄県)、陶磁器画工の加藤一世氏(京焼/京都府)。

藤田美術館の建て替え工事が完了、来春より1部再開予定

国宝「曜変天目茶碗」などを所蔵する藤田美術館(大阪市都島区)の建て替え工事が完了しました。同館は、老朽化に伴う工事のため2017年6月から休館中ですが、リニューアルオープンは2021年春に茶店や日本庭園など1部の施設を1般に開放、22年春から展示の再開を予定しています。
藤田美術館は藤田家の蔵を改装した展示室、収蔵庫とも100年前に建築されたもので、今回の建て替え工事では大災害に備えた耐震化など、建物を強化しました。旧館を支えていた梁や収蔵庫の床を当時の状態のまま再活用しています。

イスラム陶器などのコレクションが松戸市立博物館に寄贈

千葉県流山市在住の奥井俊美氏(故人)が収集してきたコレクション313点が、今年3月、松戸市立博物館に寄贈されました。
寄贈品のエリアは西アジア地域から東南アジア地域、時代は新石器時代(紀元前5000年頃)から19世紀頃までの考古美術資料であり、多岐にわたります。なかでも中核は、約80点の8~14世紀のイランの陶器(いわゆるイスラム陶器)です。
コレクションの中には、人物が丸顔で描かれるミナイ手陶器とも呼ばれる色絵人物文鉢もあり、製作された当時は高級陶器として富裕層の人々が所有していたと考えられています。

クラウドファンディングで庭園がバリアフリーに—魯山人旧居

茨城県にある笠間日動美術館の分館である北大路魯山人の旧居「春風萬里荘」で、クラウドファンディング(CF)を活用した庭園の改修事業が終了しました。
建物内には魯山人が自ら設計した茶室「夢境庵」をはじめ、自然石を組み上げた暖炉、織部の陶板を張り込んだ浴室などが、当時のままに残されています。今回改修したのは、約1100坪の庭園。花木の老化や、池の護岸の劣化のほか、地盤の変化により庭園内の散策路に危険箇所が目立つようになっていました。
安全確保とバリアフリー化を図る改修工事費の1部を賄うため、CFを通じた寄付を募ったところ、131人から目標額の500万円を上回る約654万円の支援金が寄せられました。改修の結果、急階段は手すり付きの緩やかな坂道に生まれ変わり、散策路も拡張されるなど全体の回遊性が向上しました。

カテゴリー

公益社団法人 日本陶磁協会

検索