備前市美術館がオープン
JR伊部駅前にあった備前市立備前焼ミュージアムが老朽化に伴って建て替えられ、先月7月12日に新たに「備前市美術館」としてオープンしました。「素の美」をテーマに設計された3階建て、延べ床面積約2600平方メートルの館内には、5つの展示室と、講堂、ミュージアムショップ、カフェ、ラウンジ、そして屋上には庭園と茶室も設えられています。またエントランスには、人間国宝の伊勢﨑淳氏による高さ7メートルの備前焼モニュメント「土と炎の記憶」が設置され来館者を出迎えます。
オープン記念として特別展「ピカソの陶芸―いろとかたちの冒険―」「備前の現代陶芸:至極の逸品」は、9月28日(日)まで開催しています(本展については次号No.864で特集いたします)。
※10月31日(金)まで「定窯の現代陶芸─天下無双─」を併設。
住所:岡山県備前市伊部1659―6 JR赤穂線「伊部」駅前
電話:0869―64―1400
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始(12月29日~翌年1月3日まで)
料金:展覧会により異なります。
中田一於氏が重要無形文化財「釉下彩」保持者に認定
2025年7月18日、国の文化審議会は「釉下彩」を重要無形文化財に初めて指定し、中田一於氏(石川県小松市)をその保持者(人間国宝)に認定することを文部科学大臣に答申しました。氏はとくに独自の「釉裏銀彩」の技法により色釉と銀彩の組み合わせで美しい調和を生み出しており、高い評価を得ています。
第19回パラミタ陶芸大賞決定
全国の美術館、博物館、画廊、美術評論家により推薦された「時代を代表する作家」、上位6名の作品を展示して、来館者の投票によって選ぶ「パラミタ陶芸大賞」。7月21日にパラミタミュージアム(三重県菰野町)で第19回の大賞が発表されました。有効投票総数1972票のうち最多の616票を獲得して京都府の今井完眞氏が大賞を受賞しました。
第34回工芸美術日工会展
本展の入賞作品が決まりました。陶芸関係は以下のとおりです。(敬称略)
・会員
内閣総理大臣賞
《景 ―古の時Ⅱ―》福富信(栃木)
日工会会員賞
《黒瓷 溜脈》森田高正(埼玉)
《映幻日》市川富美子(東京)
《調べ》若松洋子(愛知)
《祈りノ門》上田順康(奈良)
・一般
日工会賞
《神の果実》内田明美(愛知)
《次世代シーケンサー》鹿野豊子(栃木)
日工会奨励賞
《時空の回廊》鈴木信子(愛知)
《シャカシャカ・キー》山下鴻峰(大阪)
第47回日本新工芸展
本展の入賞作品が決まりました。陶芸関係は以下のとおりです。(敬称略)
文部科学大臣賞
《響象》森克徳
東京都知事賞
《種》山本幸嗣
京都府知事賞
《あいのかたち》高森絢子
NHK会長賞
《生命の木・Ⅱ》村山恵子
日本新工芸会員賞
《共に照らす》水谷俊雄
日本新工芸奨励賞
《空の舳》加藤明人
GO FOR KOGEI 2025
柳宗悦の言葉「工芸的なるもの」より着想しテーマとしたGO FOR KOGEI 2025が、9月13日から10月19日まで開催されます。さまざまな素材を扱う19のアーティスト、工芸作家、職人が参加し、素材や技法と真摯に向き合う姿勢から生まれる多様な実践を通して、多彩な暮らしのあり方が提案されます。
今回は、海外にも展開され、7月24日には、ヴィクトリア&アルバート博物館との共催により、イギリス・ロンドンにて国際シンポジウムを開催。また、10月3日から2026年1月18日まで、台湾・台南市美術館の招待により、展覧会が開催される予定です。
陶芸関係の参加アーティストは、上出惠悟、桑田卓郎、坂本森海、葉山有樹 (五十音順)
GO FOR KOGEI 2025
テーマ:工芸的なるもの
会期:2025年9月13日(土)~10月19日(日)[全37日間]
休場日:水曜日
時間:10時~16時30分(最終入場 16時)
会場:富山県富山市(岩瀬エリア)、石川県金沢市(東山エリア)
主催:認定NPO法人 趣都金澤、独立行政法人 日本芸術文化振興会、文化庁
詳細はこちらから。
ア・ライトハウス・カナタ移転
ア・ライトハウス・カナタは、8月1日(金)より現在の東京・西麻布から移転します。新たなギャラリーは表参道に今年10月16日(木)にオープンします。10月号で改めて詳細をお知らせいたします。
訃報 井上萬二氏
佐賀県有田町の陶芸家、井上萬二氏が、7月14日に老衰のため逝去されました。享年96歳。井上氏は伝統的な有田焼の白磁の美を追求し、1995年「白磁」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。その技術と芸術性が高く評価されていました。