▼「第66回日本陶磁協会定期総会」を去る5月23日(月)午後3時より医事新報社ビル3階会議室にて開催し、第1号議案「平成27年度計算書類(案)承認の件」ついて承認をいただき、無事閉会いたしました。事業報告書、収支予算書、決算報告書についてはこちらをご覧ください。
▼「第1回日本陶磁協会 現代陶芸奨励賞 北海道展」を10月15日(土)~11月13日(日)に札幌芸術の森工芸館にて開催いたします。公募募集については先月号のニュースまたはHPをご覧ください。公募締切は9月10日(土)。
なお、展覧会に先立ち「日本陶磁協会賞歴代受賞作家展」を10月3日(月)~11月13日に開催いたします。活躍中の授賞作家の方々より作品を出品いただき展示いたします。約45点出品予定。
▼〔8月の研究会〕
出光美術館の「開館50周年記念 東洋・日本陶磁の至宝─豊麗なる美の競演」展(7月30日~9月25日開催)に合わせて研究会を行います。本展については次号において特集記事を掲載いたします。
場 所 出光美術館
日 時 8月25日(木)午前10時30分から
講 師 徳留大輔氏(同館学芸員)
定 員 30名
参加費 人飲料のみ
申込方法 電話にて日本陶磁協会事務局まで(電話:03-3292-7124)。
▼「青─近現代の青磁─」展が三木美術館(電話:079-284-8413)にて8月21日(日)まで開催しています。重要無形文化財「青磁」保持者、中島宏氏の作品を中心に、三浦小平二氏(同保持者)の作品などの他、東山焼の青磁作品などが展示されます。
▼「中国地方のうつわ展」が二部に分けて伊丹市立工芸センター(電話:072-772-5557)で開催されます。
「第一部 中国地方の工芸 陶・竹・漆・木・金属・七宝・人形」
とき 7月9日(土)~8月7日(日)
出品=伊勢崎淳・井戸川豊・今田拓志・岡田裕・兼田昌尚・久保田厚子・十五代坂倉新兵衛・坂本章・作元朋子・新庄貞嗣・前田昭博・三輪和彦・大和保男(陶芸家のみ掲載)
「第二部 中国地方の陶芸─萩・備前の精鋭たち」
とき 9月3日(土)~10月2日(日)
出品=伊勢崎晃一朗・伊勢崎紳・伊勢崎創・岡田泰・隠崎隆一・金子司・金重晃介・兼田知明・近藤正彦・十代坂倉善右衛門・渋谷英一・玉村信一・止原理美・中島大輔・中村眞一・納冨晋・野坂和左・船崎透・松尾優子・森泰司・吉本正
▼「NATURE INTO ART 道川省三 瀬口吉則」展が瀬戸市新世紀工芸館(電話:0561-97-1001)にて9月18日(日)まで開催しています。陶芸家の道川氏と写真家の瀬口氏の作品、計約40点を展示。
▼「北海道陶芸展第45回記念展─北海道陶芸展の変遷」が、札幌芸術の森工芸館にて7月10日(日)まで、旭川デザインギャラリーにて7月26日(火)~31日(日)に開催されます。本展は北海道陶芸展・北海道陶芸協会のこれまでの足跡を、歴代審査員や過去の受賞者など、今まで関わった人々の作品を通して辿ります。
またワークショップが7月3日~11日(日)に旭川デザインギャラリーにて(講師=高橋朋子氏)、8月27日(土)に常呂手工芸の館にて(講師=下沢敏也氏、受講料2,500円)開催されます。いずれも要申込(北海道陶芸協会 電話:011-611-1805)。
▼「第45回記念公募展北海道陶芸展」が7月19日(火)~24日(日)に札幌市民ギャラリーにて開催されます。
▼「第55回日本伝統工芸富山展」の受賞が決まりました。陶芸では下記の作品が入賞しています。
日本工芸会富山支部賞=前沢陽彦氏「衝裂壺」
奨励賞=西出勝徳氏「裂紋花器」
▼茶道文化研究に大きな貢献をしたと認められる代表作を顕彰する公益財団法人三徳庵による第26回茶道文化学術賞授賞式および記念講演会が6月10日(金)午後6時から神田・学士会館本館講堂にて催されました。田中仙堂理事長の挨拶の後、助成金認定証の授与と対象者の紹介が行われました。茶道文化学術奨励賞は、今後、茶道文化研究を進展させる貢献と認められる作品を顕彰するもので、今回、奨励研究助成対象には、北海道大学大学院文学研究科言語文学専攻博士後期課程・工藤隆彰氏の「茶の湯成立期の和歌・連歌の受容状況」が選ばれました。一般研究助成対象には、京都造形芸術大学通信教育部非常勤講師・黒河星子氏の「近代における茶道の『国民文化』化とナショナリズム」が選ばれました。また、一般学術図書刊行助成対象には、大阪観光大学観光学部講師・王静氏の「現代中国茶文化考」が選ばれた。次に、茶道文化学術賞選考委員長・竹内順一氏より選考経過報告が行われました。今回、茶道文化学術賞を受賞されたのは静岡産業大学総合研究所客員研究員・中村羊一郎氏の『番茶と庶民喫茶史』(吉川弘文館刊)。授賞式の後、中村氏による受賞記念講演が催されました。中村氏は、「庶民の喫茶の風習が広がったのは、近世に茶の湯が普及したことを契機とするのが一般的理解でした。しかし、これでは茶の湯に使われる高級な抹茶が、なぜ煮出して飲む日常のお茶に変わったかについての説明はできない」との問題意識から、「お茶」という言葉が食事という意味としても捉えられているという視点から、家族の食事を作り配分を差配する主婦が、茶を煮るという役割を担っていたことが、女性と茶との密接な関係の基盤にあり、茶を囲んでの女性のおしゃべりが、現代社会の女性たちの「お茶しない?」にも繋がっているのではないかと展望します。また、茶の湯と庶民の振り茶との間には共通の基盤があったことを明らかにし、振り茶の一種が、中国末代の分茶にも通じている可能性を示唆し、総合的な茶文化研究を進める上での新たな視点を提供していると講演されました。
▼1982年度日本陶磁協会賞受賞作家の小野寺玄氏が4月30日に肺がんのため逝去されました。享年81歳。小野寺氏は、北海道釧路市出身。文化学院美術科入学、同時に西村伊作院長の陶芸研究室助手を務めながら陶芸を学び、卒業後は北大路魯山人に師事されました。1971年、大磯の坂田山に築窯し独立。1972年、珠洲焼と出会い「炭化焼成」研究を始め、その技術を現代に蘇らせて独白の作品を完成させました。心よりご冥福をお祈りいたします。
▼茶道家・民芸研究家の近藤京嗣氏が6月11日に逝去されました。享年87歳。近藤氏は柳宗悦氏に師事して日本民藝館に勤務後、日本民藝館展審査委員等歴任。作陶も行い、『民器の中の茶器』などの著書のほか、日本民藝協会『民藝』や、当協会『陶説』へも多数ご執筆いただきました。心より御冥福をお祈り申し上げます。