平成14年開催 第43回日本陶磁協会賞 受賞作家展

テーマ展示 -遊ぶかたち-

趣旨

日本陶磁協会受賞作家展も今年で第43回を迎える。会場を銀座の和光ホールに移してから4年目、そろそろ展覧会も定着してきたのではないかと思う。昨年から4階のアートサロンでも、前年度の受賞作家の作品が並べられる。
小川さんは、東京芸術大学工芸科を卒業したあと、パリの工芸学校へ留学。結婚後は、文化人類学者である夫の調査旅行に同行。そこで、アフリカの土器と出合い、各地で土の丸い型を用いた叩きの手法を学ぶ。1985年の初個展の作品はその手法からヒントを得たもので、焼成はガス窯である。大地から掘り出した球体を2つに割ったようなその作品は、やがて尖底形のてびねりの器へと展開してゆく。小川さんは、内なるイメージをデッサンに書き留め、5年、10年と熟成させてから作品化する。今回の3つの尖底形を組み合わせた作品も、小川さんの内なるイメージが熟成し結晶したものだ。
和光ホールに移ってから、会場のスペースの広さもあって、従来の本作品のほかに毎回テーマを設け、それに合わせた作品を出品していただくようになった。今回のテーマは、焼きものを器として使う愉しみに加えて、見て眼でも愉しんでいただこうと、「遊ぶかたち」に決定した。現代日本の陶芸界を代表する作家たちが、それぞれ創造する「遊ぶかたち」の楽しさを、この機会にぜひ満喫していただければと思う。(森 孝一)

出品作家(五十音順)

秋山 陽
荒木高子
伊藤赤水
今井政之
今泉今右衛門
江口勝美
大樋長左衛門
小川待子
小野寺玄
隠崎隆一
加藤清之
加藤孝造
加藤重高
加藤卓男
金重晃介
川瀬 忍
鯉江良二
高鶴 元
酒井田柿右衛門
島岡達三
清水卯一
鈴木 治
鈴木 藏
鈴木三成
滝口和男
竹中 浩
玉置保夫
辻  協
辻 清明
徳田八十吉
中里 隆
中里太郎右衛門
中島 宏
原  清
原田拾六
藤平 伸
藤原 雄
松井康成
三浦小平二
森 陶岳
森 正洋
八木 明
安田全宏
山田常山
吉田美統
樂吉左衛門
若尾利貞
和太守卑良

公益社団法人 日本陶磁協会

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